今回はAmazon RDSの特徴についてまとめてみました。Amazon RDSはよく使うAWSサービス群の1つですが、記事に書いたことがなかったので改めて調べてまとめてみました。
Amazon RDSの概要
Amazon Relational Database Service (Amazon RDS) は、Amazon Web Services (AWS) のクラウドベースのリレーショナルデータベース管理サービスです。
Amazon RDSを使用することで、ユーザーは簡単に拡張可能な高可用性のリレーショナルデータベースをセットアップ・運用・スケールすることが可能になります。
Amazon RDSの特徴
Amazon RDSの特徴としては以下の7つになります。
- サポートするデータベースエンジン
- 管理の簡素化
- 自動バックアップとリストア
- スケーラビリティとパフォーマンス
- 高可用性と耐久性
- セキュリティ
- 料金体系
サポートするデータベースエンジン
Amazon RDSは複数の人気のあるリレーショナルデータベースエンジンをサポートしています。主なエンジンには MySQL、PostgreSQL、MariaDB、Oracle Database、Microsoft SQL Serverなどがあります。これにより特定のアプリケーションの要件に合わせて適切なデータベースエンジンを選択できます。
Amazon Auroraは、Amazon Web Services(AWS)が提供する高性能なリレーショナルデータベースサービスです。MySQLとPostgreSQLというオープンソースデータベースエンジンをベースにしており、高可用性、耐障害性、スケーラビリティに優れた特長を持っています。
- パフォーマンスとスケーラビリティ
Amazon Auroraは、高速なデータベース処理を実現するために最適化されており、他のリレーショナルデータベースエンジンに比べて高いパフォーマンスを提供します。自動的にスケーリングできる設計になっており、トラフィックが増えた場合でも適切に対応できます。読み取り専用のレプリカを簡単に追加でき、読み取りクエリを分散することで負荷を軽減します。 - 高可用性
Auroraは複数のアベイラビリティーゾーンにわたってデータを自動的にレプリケートすることで、高い可用性を提供します。マスターインスタンスに障害が発生した場合でも、自動的にリードレプリカが昇格してサービスが続行されます。 - データ耐性
データは6つのコピーに分散して保存され、アベイラビリティーゾーン内の最小3つのストレージボリュームに格納されます。これにより、データの持続性と耐障害性が向上します。 - 自動バックアップとスナップショット
Amazon Auroraは自動的にバックアップを行い、最大35日間の過去の状態を復元できます。また、スナップショットを手動で作成することも可能です。 - セキュリティ
Auroraは暗号化が強制され、データの保護を確保します。データベース間の通信もSSL/TLSで暗号化されます。また、IAM(Identity and Access Management)統合をサポートしています。 - マネージドサービス
Amazon AuroraはAWSが管理するフルマネージドサービスであり、データベースの設定、パッチ適用、スケーリングなどの管理作業をAWSが自動的に行います。これにより、データベース管理者の負担を軽減します。 - 互換性
Amazon AuroraはMySQLとPostgreSQLとの互換性があり、既存のアプリケーションコードやツールを変更せずに移行できるため、新規導入や移行も容易です。
管理の簡素化
Amazon RDSは、データベースのプロビジョニング、パッチ適用、バックアップ、高可用性の設定など、データベースの管理タスクを自動化し簡素化します。これにより、開発者は運用にかかる時間とリソースを節約できます。
自動バックアップとリストア
Amazon RDSは自動的にバックアップを取得し、特定のタイムポイントにデータベースをリストアできる機能を提供します。この機能により、データの誤消去や障害時のデータの復旧が容易になります。
スケーラビリティとパフォーマンス
Amazon RDSは、必要に応じて計算リソースやストレージを簡単にスケーリングできるため、アプリケーションのトラフィックやデータベースのサイズに応じて柔軟に対応できます。また、リードレプリカを作成して読み取り処理をオフロードすることも可能です。
リードレプリカ(Read Replica)は、リレーショナルデータベースの一種であるAmazon RDS(Relational Database Service)において使用される概念です。リードレプリカは元のデータベース(マスターデータベース)の読み取り操作をオフロードするために使用される、複製されたデータベースです。主に読み取りの処理を分散することで、オリジナルデータベースの負荷を軽減し、スケーラビリティとパフォーマンスを向上させるのに役立ちます。

高可用性と耐久性
Amazon RDSはマルチアベイラビリティーゾーン (Multi-AZ) 構成を提供し、自動フェイルオーバーをサポートしています。これにより、ハードウェア障害や可用性の低下時にもアプリケーションの可用性を確保できます。また、データはAmazon EBSボリュームに保存され、耐久性が確保されます。
Multi-AZ(マルチアベイラビリティーゾーン)は、Amazon RDSやAmazon DynamoDBなど、Amazon Web Services(AWS)のサービスで提供される高可用性の機能の1つです。Multi-AZはシステムの可用性を向上させるために、複数の物理的に別々のデータセンターやアベイラビリティーゾーンにリソースを複製する仕組みを指します。
AWSのリージョン(地理的に分散したデータセンターのグループ)内には、複数のアベイラビリティーゾーン(AZ)が存在します。アベイラビリティーゾーンは物理的な別々のデータセンターであり、電源、冷却、ネットワークなどのインフラが独立しています。このため特定のアベイラビリティーゾーンで障害が発生しても、他のゾーンは影響を受けずに稼働を続けることができます。
セキュリティ
Amazon RDSは、データベース通信の暗号化、IAMベースの認証、仮想プライベートクラウド (VPC) 内でのデータベースの実行など、セキュリティに関する機能を提供しています。
VPC(Virtual Private Cloud)は、Amazon Web Services(AWS)上で仮想的なネットワーキング環境を構築するためのサービスです。VPCを使用することで、ユーザーはクラウド内でプライベートネットワークを構築し、仮想ネットワーキングを設計・管理・制御できます。
料金体系
Amazon RDSは従量課金制を採用しており、必要なリソースのみを使用した料金が発生します。さまざまなインスタンスタイプやストレージオプションが用意されており、必要に応じて適切なプランを選択できます。
参考: Amazon RDS の料金
まとめ
Amazon RDSとはフルマネージドなリレーショナルデータベース
- サポートするデータベースエンジン
MySQL、PostgreSQL、MariaDB、Oracle Database、Microsoft SQL Serverなどをサポート
- 管理の簡素化
データベースのプロビジョニング、パッチ適用、バックアップ、高可用性の設定など、データベースの管理タスクを自動化し簡素化
- 自動バックアップとリストア
自動的にバックアップを取得し、特定のタイムポイントにデータベースをリストアできる機能を提供
- スケーラビリティとパフォーマンス
必要に応じて計算リソースやストレージを簡単にスケーリングできるため、アプリケーションのトラフィックやデータベースのサイズに応じて柔軟に対応
- 高可用性と耐久性
マルチアベイラビリティーゾーン (Multi-AZ) 構成を提供し、自動フェイルオーバーをサポート
- セキュリティ
データベース通信の暗号化、IAMベースの認証、仮想プライベートクラウド (VPC) 内でのデータベースの実行など、セキュリティに関する機能を提供
- 料金体系
従量課金制を採用しており、必要なリソースのみを使用した料金が発生