今回はCSSの進化版であるSass(サース)と呼ばれる言語について紹介したいと思います。Sassを使用することで、普段のCSSの記述をよりシンプル、かつスマートに書くことができます。
Sass(サース)とは

Sassとは、CSSをより早く、より簡単に書けるように作られた言語です。
Sassには、SASS記法とSCSS記法の2種類の書き方があり、主流はSCSS記法になっています。そのため、この記事ではSCSS記法について解説していきます。
メリット
Sassを使用するメリットは主に3つです。
- セレクタをネスト(入れ子構造)で書くことができる
- 変数が使える
- mixinで同じコードを何度も書かずに済む
それぞれ詳しく見ていきましょう。
セレクタをネスト(入れ子構造)で書くことができる
通常のCSSの場合、以下のように同じセレクタを複数回書かなくてはなりません。
.side__bar {
background-color: red;
}
.side__bar p {
font-weight: bold;
}
しかしSassを使用した場合、セレクタをネスト(入れ子構造)にすることによって同じセレクタを何度も書かなくて済みます。
.side__bar {
background-color: red;
p {
font-weight: bold;
}
}
変数が使える
変数を定義できることで同じ値を何度も使えるようになりました。
使い方を見ていきましょう。
1行目でmain-colorを定義しています。そして、その色を使用したい箇所でその記述を呼び出しています。
// 変数の定義
$main-color: #6699CC;
h2 {
color: main-color;
}
p {
color: main-color;
}
ここで2つ注意点があります。
- 変数は利用する箇所より前で定義しなければならない
- 変数が使える範囲(スコープ)に注意する
以下はダメな場合の例です。
これは変数が利用する箇所よりも後に定義されてしまい、main-colorを呼び出すことができません。
h2 {
color: $main-color;
}
$main-color: #6699CC;
以下のコードも同様です。
h2で定義されたmain-colorはpタグのスコープ外のため、pタグ内で記述を呼び出すことはできません。
h2 {
$main-color: #6699CC;
color: $main-color;
}
p {
color: $main-color
}
mixinで同じコードを何度も書かずに済む
mixinを定義することで、定義した記述を何度も呼ぶことができるようになります。
使い方は以下の通りです。
まずは定義したいコードを@mixinで定義します。そしてその記述を呼び出したい箇所で、@includeを記述します。こうすることにより、@mixinで定義したコードを何度も使用することができます。
// 変数の定義
@mixin common_box {
width: 200px;
height: 300px;
background-color: pink;
}
// 変数の呼び出し
.box1 {
@include common_box;
}
#box2 {
@include common_box;
}
まとめ
- SassとはCSSをより早く、より簡単に書けるように作られた言語である
- SASS記法とSCSS記法の2種類があり、SCSS記法が主流である
- Sassを使用するメリットは「セレクタをネスト(入れ子構造)で書くことができる」「変数が使える」「mixinで同じコードを何度も書かずに済む」の3つである
今回はCSSの進化版であるSass(サース)と呼ばれる言語について紹介しました。CSSさえ理解できていれば簡単に実装できる言語なので、ぜひご自身でも試しに書いてみてください。